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子育て世帯のタワーマンション探訪記

長期優良住宅とは? 認定基準と税制優遇の内容まとめ

現在、日本では人口に対する住居の数は十分に足りている状況にも関わらず、新築がばんばん建てられています。

実際に家を買うなら絶対に新築で!という人も多いと思いますが、新築で家を建てる場合は当然、元々そこに建っていた建物を壊す事になります。

壊した分はそのほとんどが廃棄物となるわけで、作っては壊しを繰り返すのは経済面、環境面から考えると全くエコではありません。

事実、日本では30年と言われている住宅の平均寿命はアメリカだと44年、イギリスにいたっては75年もあると言われています。

そこで国は中古住宅の取引を活発にし、住宅の寿命を延ばすために「長期優良住宅」という制度をもうけています。

今回はこの長期優良住宅について調べてみました。

長期優良住宅とは?

長期優良住宅とは長期に渡って良好な状態で住み続けられる様に、建物の構造や設備に適切な処置が施され、行政によって認定を受けた住宅の事です。

長期優良住宅の建築および維持保全の計画を作成して、所管行政庁に申請することで、基準に適合していれば認定を受けることができます。

もちろん単に認定されるだけではなく、認定を受けると税制上の優遇措置を色々と受ける事が出来るといったメリットがあります。

「作っては壊す」から、よりエコな「良い物を長く使う」ストック型の住環境を目指して、2009年に新築住宅の建築に対し、2016年には中古住宅の増築・改築に対しても適用されるようになりました。

まだ出来てから日の短い、歴史の浅い制度です。

長期優良住宅の認定条件

長期優良住宅として認定を受けるためには、住宅性能表示制度を元に設定された、9項目をクリアする必要があります。

どの様な基準か求められるかわかりやすく表現すると「建物として100年は程度は住めるレベル」だそうです。

家を探していると30年ほどでも、かなり古いなと思う人がほとんどだと思うので、かなりしっかりした建物だというのは簡単に想像が出来るんじゃないでしょうか?

それでは、9項目について詳しくみて行きましょう。

劣化対策

住宅の劣化を防ぐ措置の事で、住宅性能評価では「劣化対策等級3+α」の性能が要求され、少なくとも100年程度住み続けられるレベルが要求されます。

RC造であれば、セメントに対する水の比率を低減し強度をあげたり、鉄筋に対するコンクリートのかぶりを厚くする対策、木造であれば点検のため床下空間に一定の高さを保ったり、点検口を設置するなどの処置を行います。

耐震性

地震対策は日本では特に重要ですね。耐震性に関しては大規模地震に対する建物の変形を一定以下にする必要があり、以下の3つのいずれかを基準とします。

  • 住宅性能評価では「耐震等級2以上」の性能、建築基準法レベルの1.25倍の地震に対して倒壊しない
  • 免震構造の建物
  • 地震が起きた時の各階の床と、真下の床との水平方向の変形角度(層間変形角)が各階100分の1以下であること(ただし木造の場合は40分の1)

維持管理・更新の容易性

建物よりも耐用年数が短い設備に関して、維持管理が簡単に行える事が求められ、住宅性能評価では「維持管理対策等級3」「更新対策等級3」が要求されます。

具体的には以下のような内容が挙げられています。

  • 建物に影響を与えることなく、配管の維持管理が行える事
  • メンテナンス時に工事が行いやすい措置が行われている事

可変性

少しわかりにくい言葉ですが、要はリフォームのしやすさです。

住む人のライフスタイルの変化に合わせて、間取りの変更のしやすさが求められます。

具体的には配管、配線の変更がしやすいように十分な天井高が求められ、住宅性能評価では天井高2650mm以上とされています。

高齢者対策

バリアフリー化を見据えて、共用廊下の幅、共用階段の幅、エレベータの開口幅に十分なスペースを設けたり、階段の勾配は緩やかにする必要があります。

住宅性能評価では、高齢者配慮対策等級3以上が求められます。

省エネルギー対策

省エネ法に基づく建築物エネルギー消費性能基準に相当する、十分な断熱対策を行う必要があります。

住宅性能評価では、断熱等性能等級4の基準が求められます。

居住環境

住居の景観を良くするなど、周辺環境の雰囲気を損なわない事が求められます。

少しあいまいな基準ですが、地区計画や、景観計画、条例などで景観に定めがある場合は、その決まりに反しない必要があります。

国内だと京都景観条例などが有名でしょうか。

コンビニやファーストフード店の看板色が、茶色や目立たない色になっているのを目にしたことがある人も多いと思います。

極端な例ではありますが、周りの雰囲気に合わせなければならないという事ですね。

住戸面積

要するに広い家にする必要があるということですね。

戸建ての場合は75㎡以上、共同住宅であれば55㎡以上が必要となりますが、地域の状況に応じて戸建て55㎡、共同住宅40㎡を下限として、引き下げが可能です。。

また、いずれの場合も一階部分の床面積(階段を除く)は40㎡以上が求められます。

維持保全計画

建築直後から、家を長持ちさせるための定期点検、補修に関する計画が定められている必要があります。

特に以下の部分に関してはメンテナンス計画を経て、少なくとも10年に一回は点検を実施する事が求められます。

  • 構造耐力上主要な部分
  • 雨水の侵入を防止する部分
  • 給水・排水設備

長期優良住宅で受けられる税制優遇

長期優良住宅には一言でいえば、色々なコストが普通に家を建てるよりもかかってしまうというデメリットがあります。

例えば強度をあげるために建築費用も高くなれば、建築にかかる時間も長くなります。

さらに経て終わってからも定期的なメンテナンスを行う必要がある他、申請を行って認定を受ける必要がある点も、かなりの手間となるでしょう。

この様にデメリットがたくさんある状態だと、とうぜん誰も「長期優良住宅を作ろう!」とはなりません。

そこで、国は長期優良住宅に対して税制面でかなりの優遇措置を設けています。

期限付きのものが多いので注意が必要ですが、期限の延長や、内容を改訂した上で改めて設定される可能性はあります。

不動産所得税

平成30年3月31日までと、この記事を書いている今からだと、後2ヶ月くらいしか期限がない優遇措置です。

一般住宅の場合と、長期優良住宅の場合を比べてみると、以下のような差があります。

  • 一般住宅 ... (固定資産税評価額 - 1200万円) × 3%
  • 長期優良住宅 ... (固定資産税評価額 - 1300万円) × 3% (平成30年3月31日まで)

登録免許税

登録免許税は家を建てたり、買ったりした際に不動産権利の投機にかかって来る税金です。

抵当権設定登記に関しては差はありませんが、所有権保存登記、所有権移転登記には差があります。

ややこしいことに、この2つは一般住宅にも軽減税率が適用されている状態で、本来の税率よりも低く設定されている状態です。

所有権保存登記

  • 本来の税率 ... 0.4%
  • 一般住宅 ... 0.15% (平成32年3月31日までに取得)
  • 長期優良住宅 ... 0.1% (平成30年3月31日までに取得)

所有権移転登記

  • 本来の税率 ... 2.0%
  • 一般住宅 ... 0.3% (平成32年3月31日までに取得)
  • 長期優良住宅 ... 戸建て: 0.2% マンション: 0.1% (平成30年3月31日までに取得)

固定資産税

新築に限ってですが、毎年かかる固定資産税にも優遇措置があります。

  • 一般住宅 ... 戸建て: 新築から3年間 1/2減額、マンション: 新築から5年間 1/2減額
  • 長期優良住宅 ... 戸建て: 新築から3年間 1/2減額、マンション: 新築から5年間 1/2減額 (平成30年3月31日まで)

住宅ローン減税

住宅ローン減税は控除率は両方とも1%と変わりませんが、控除対象借入限度額の上限が高く設定されています。

  • 一般住宅 ... 控除対象借入限度額 4000万円
  • 長期優良住宅 ... 控除対象借入限度額 5000万円 (平成33年12月31日入居まで)

住宅ローン(フラット35)

住宅ローン自体においても優遇措置が受けられます。

フラット35において金利引下げ期間が伸びるほか、長期優良住宅の場合はフラット50を利用することが出来る様になるのが大きな特徴です。

今の所は期限も存在していません。

  • 一般住宅 ... 金利引下げ期間5年
  • 長期優良住宅 ... 金利引下げ期間10年

投資型減税

住宅ローンを利用せず自己資金で購入する場合は、とうぜん住宅ローン減税は利用できません。

そこで、現金購入をする人に対しては、投資型減税(名前が適切な感じがしませんが)が適用され、所得税控除を受ける事ができます。

長期優良住宅であれば平成33年12月31日まで、以下が適用されます。

  • 控除額 ... 標準的な性能強化費用相当額の10%
  • 控除対象限度額 ... 650万円
  • 控除限度額 ... 65万円
  • 控除期間 ... 1年間

性能強化費用相当額とはは、長期優良住宅にした事で一般の住宅より高くなった費用の事です。

計算方法は定められており、平成26年4月1日以降居住の場合だと住宅の床面積×43,800円/㎡で算出する事ができます。