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子育て世帯のタワーマンション探訪記

低炭素住宅とは?申請方法や税制優遇、長期優良住宅と併用は出来るのか?

低炭素社会という言葉を聞いた事がありますか?低炭素社会とは二酸化炭素の排出が少ない社会のことで、脱炭素社会などとも呼ばれています。

みなさんもご存知の通り、温室効果ガスによる地球温暖化は世界的な課題となっていて、その大きな割合を占める二酸化炭素の排出を減らす事は、国家レベルで対策が求められています。

また、東日本大震災をきっかけにエネルギー需給の変化(脱原発)に関する関心も高まり、特に多くの二酸化炭素が排出される地域である都市部においては、特に低炭素化が重要視されています。

この様な背景を受けて誕生したのが「低炭素住宅」です。

低炭素住宅とは?

広い意味で言えば低炭素住宅とは「二酸化炭素排出量の少ない住宅」の事です。

国は年の低炭素化を進めるため、都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)に基づき、低炭素建築物の認定制度を設けています。

低炭素住宅として認定されるためには、一定の基準を満たし所轄行政庁に申請する必要があるため、低炭素住宅と言えば認定を受けた建物を指す場合がほとんどです。

もちろん低炭素住宅の認定を受けた場合には、様々な税制優遇を受ける事ができます。

低炭素建築物の認定基準

低炭素建築物として認められるためには、以下の2つの項目を満たす必要があます。

  • 定量的評価項目(必須項目)
  • 選択的項目

さらに前提として市街化区域内に建築される建物のみに限定されます。

www.sky-scraper.tokyo

また、認定の対象となる建物は新築だけではなく、以下が対象となります。

  • 低炭素化の対策を施した新築の建物
  • 低炭素化するために施したの建築物の増築、改築、修繕
  • 低炭素化のための建築物への空気調和設備、その他の政令で定める建築設備の設置
  • 建築に設けた空気調和設備等の改修

定量的評価項目(必須項目)

1つ目の基準は定量的評価項目で、認定を受けるためには必ず以下の基準を満たす必要があります。

  • 省エネルギー法に基づく省エネルギー基準と同等以上の断熱性能を確保する事
  • 省エネルギー法の省エネルギー基準に比べ、一次エネルギー消費量(家電などのエネルギー消費量を除く)が10%以上低い事

断熱の性能自体は、外皮性能計算によって行われます。

外皮とは壁・床・天井や窓など、室内と外気の境界部分の事で、外皮性能計算ではそこから熱がどれくらい逃げていくのかを算出します。

そのため、具体的な断熱対策としては断熱窓や、断熱サッシ、断熱材の導入が行われます。

また、一次エネルギーの消費を抑えるための方法には太陽光発電の導入、節水トイレの設置などが挙げられます。

一次エネルギー消費量とは?

一次エネルギー消費量とは冷暖房、照明、換気、給湯など建物自体の設備とみなされる部分のエネルギー消費量の合計値の事です。

テレビなどの家電や、太陽光発電やエコキュート、エネファームといった省エネ効果のある設備は消費量に合算されません。

しかし、注意が必要なのは、一次エネルギー消費量は居住人数や床面積などで変化する点です。

そのため、床面積の大きさに応じて設定された標準的な一次エネルギー消費量を用いて計算されます。

詳しい計算方法に関しては(省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅))[http://www.kenken.go.jp/becc/house_h28manual.htmlで確認することが出来ます。

また、トップランナー基準と呼ばれる、各設備の一次エネルギー消費量を抑えるための基準が定められています。

選択的項目

定量的評価項目は必ず満たさなければいけない基準でしたが、他にも以下8項目のうち2項目以上の対策を行なっている事が求められます。

  • 節水型トイレ、節水型水栓、食洗機などの節水が行える機器を設置する
  • 雨水、雑排水などの中水の利用が出来るようにする。
  • HEMSもしくはBEMSを設置する
  • 太陽光などの再生可能エネルギーの発電機、蓄電池の設置
  • 壁面の緑化など、ヒートアイランド対策を講じている
  • 住宅の劣化の軽減措置を行なっている
  • 木造建築物である
  • 高炉セメントなどを構造耐力上の主要な部分に使用している

いくつか聞きなれない言葉もあると思うので、合わせて説明しておきます。

中水とは?

上水、下水は聞いたことがある人がほとんだと思いますが、中水というものもありあす。

中水とは飲料水としては利用できないが、人体に影響をおよぼす事なく再利用できる(再利用される)水の事で主に3つの種類があります。

  • 雨水
  • 厨房排水 ... 厨房排水除害施設で処理された、調理で利用した排水
  • 雑排水 ... 工業排水などのその他排水。し尿を含まない人体に無害な排水。

中水はトイレの排水や工業用水として再利用されます。

HEMS、BEMSとは?

それぞれ、HEMS(Home Energy Management System)、BEMS(Building Energy Management System)の略で、ともにエネルギー管理システム(EMS)の1種です。

HEMSは一般家庭、BEMSはビルを管理するためのもので、以下のような機能を備えています。

  • 電力使用量の可視化
  • 機器制御による節電
  • 太陽光発電や蓄電器の制御

この様にEMSを導入することによって、電気使用量の節約やCO2削減に効果を発揮してくれます。

高炉セメントとは?

普通のセメントに加え、製鉄所の溶鉱炉の製鉄に伴い副産物として出来る、高炉水砕スラグを混ぜて作ったセメントの事。

通常のセメントよりも強度や耐久性が高いため、主に橋脚やダムなど土木工事用に利用される。

低炭素住宅認定までの流れ

次に低炭素住宅認定までの流れを見てみましょう。

特に重要なのは住宅の着工(建築開始)前に申請を行っておく必要がある点です。

  1. 評価機関に技術的審査を申請
  2. 評価機関より適合証交付
  3. 適合証を添えて、所轄行政庁に認定申請
  4. 所轄行政庁より認定証交付
  5. 着工

建築物が低炭素住宅としての要件を満たしているか、評価機関に審査をしてもらった後に、行政へ申請を行うといった流れになります。

また、評価期間への申請にあたっては、以下の書類が必要となります。

  • 認定申請書
  • 添付図書 ... 設計内容証明書、図面と計算書、建築確認に関する申請図書など

さらに申請にあたっては費用がかかります。

値段は所轄行政庁や共同住宅の場合は戸数によって値段がかわりますが、戸建の場合で5,000円弱、共同住宅の場合、最大で20万円ほどが必要となります。

認定低炭素住宅のメリットや税制優遇

低炭素住宅の認定を受ける事で税制優遇の他、いくつかのメリットがあります。

ちなみに長期優良住宅の場合とは違い、固定資産税に関しては一般住宅と違いがありません。

順番に見てみましょう。

住宅ローン減税

控除対象借入限度額が5000万円になる他、10年間で控除率1%、最大500万円の減税

投資型減税

現金で購入する場合の減税。最大65万円まで、控除しきれない場合は翌年分の所得税から控除が受けられる(平成33年12月31日まで)

登録免許税

保存登記 0.1%、移転登記 0.1% (平成30年3月31日まで)

フラット35

フラット35、フラット35sの借入金利が10年間、年0.3%引き下げられる。

容積率

低炭素化設備が通常の建築物の床面積を超える場合は、1/20を限度に容積率の延べ面積から控除される

低炭素住宅と長期優良住宅の併用(同時認定)は可能?

結論だけでいえば、低炭素住宅と長期優良住宅の併用は可能です。

しかし、認定は可能でも税制優遇に関しては両方受ける事は不可能で、どちらかの優遇を選択して適用する事しか出来ないため、あまりメリットはありません。

ただし、所得税に関しては低炭素住宅の優遇、登録免許税に関しては長期優良住宅の優遇、といった用に項目ごとの選択は可能となっているため、有利な方を細かく選ぶといったことは可能です。

低炭素住宅の義務化

最後に、低炭素住宅は2020年に行われる改正省エネ基準において、義務化が予定されています。

義務化の内容はそのままではなく、低炭素建物認定制度としたものですが、いずれにせよ対応が必要となってきます。

新築を建てるなら、優遇処置のあるうちの方が有利と言えるでしょう。