東京摩天楼

子育て世帯の大規模マンション探訪記

定期借家とは?普通借家との違いやメリット、デメリット

賃貸物件を探し回ってると「お、この辺りにしてはやけに家賃が安いな」と感じる物件がたまにあります。

引っ越し先を色々調べたことがある人はピン来ると思いますが、こういった物件は詳細を見てみると「定期借家◯年」などと書かれていたりします。

この表記がある物件は定期借家になります。

もちろん、ただの掘り出し物件や、場合によっては事故物件だから安いというケースもあると思いますが、割安な物件は定期借家な場合がほとんどですね。

というわけで今回は定期借家がどういったものなのか?

なぜ普通の賃貸物件に比べて賃料が安めなのか?などについてまとめたいと思います。

定期借家とは?

定期借家は原則として再契約が出来ず、契約で決まった期間の終了とともに借りている側は退去する必要がある物件の事です。

法的には「ていきしゃっか」という読み方が正しく、借地借家法の第38上に基づきます。

定期借家契約を行う際は公正証書など書面で行う必要があり、最低限の内容として、期間満了時に契約の更新がない旨を書いておく事が必要です。

また、貸主は契約の際に更新がないことや、契約が終了する年月日などを書面を用いた上で説明する必要があります。

さらに、貸し主には契約終了の通知義務も課せられます。

契約期間が1年未満の場合は必要ありませんが、1年を越える場合、満了の1年前から6ヶ月前までの間に終了通知を行わなければなりません。

もしも通知を怠った場合は、借り主が希望する限り、6ヶ月間はその物件を貸し続ける必要が発生してしまうので、通知は必ず行うべきです。

定期借家のメリット

まずは定期借家を借りる側から見た場合のメリットを考えてみたいと思います。

もちろん貸す側にとっては逆にデメリットとも言えます。

家賃がまわりの賃貸相場よりも安い

なぜ安いのか?と疑問に思う人もいるかと思いますが、定期借家は借りるのをためらう人が多く、入居してもらう可能性をあげるために、相場より安い賃料が設定されている場合がほとんどです。

貸す人が定期借家にする理由は様々ですが、例えば以下のような理由があります。

  • 近々取り壊す事が決まっている
  • 長期出張などでしばらく持ち家をあける間に貸す
  • 問題のない入居者かどうか、しばらく見極めるため

また、いわゆる事故物件の告知義務をなくすために、1度だけ定期借家にするという悪質な理由も残念ながら存在します。

取り壊す場合や、いずれ持ち主が戻ってくる場合には再契約を行うのは難しいでしょう。

しかし、問題のない入居者かどうか見極めるためという理由ならば、むしろ普通借家への契約変更を前提にしているので、再契約の交渉も簡単でしょう。

この様な場合は再契約の特約を盛り込んだ上で契約を行う場合もあります。

初期費用が少なくてすむ場合が多い

同様に入居可能性をあげるために礼金0、敷金1ヶ月分、フリーレントをつけるなど、初期費用を抑えた条件で募集が出ている場合も多いです。

敷金はともかく短期間しか住まないのに、2ヶ月も礼金が取られるなら普通の人は住みたいなと思わないでしょう。

普通に考えれば当然とも考えられますね。

審査が緩い可能性が高い

これも前の2つと同じ理由で、入居率を高めるためです。

収入面に問題がなくても、特に審査で問題になるのが保証人でしょう。

もちろん定期借家といえども、保証人不要といった物件は少ないですが、普通借家に比べれば交渉がしやすい可能性があるのも事実です。

短期間の滞在に便利

定期借家では1年以内の契約も可能なので、3ヶ月や半年といった契約が出来る可能性もあります。

長期の出張や旅行といった、しばらくの間だけ住みたいといった人には便利な物件と言えます。

例えば、スキーシーズンに信州に家を借りたり、夏に軽井沢の避暑地に家を借りるといった利用の仕方が考えられますね。

迷惑な住人が少ない

定期借家では貸し主が再契約を断ることが出来るので、例えば騒音をたてる人や、ルールを守らない人など、周りに迷惑をかける住人が住み続ける事は少ないです。

実際に全ての部屋が定期借家になっているようなマンション、アパートは少ないですが、例えば芝浦アイランドエアタワーやブルームタワーの様な実例もあります。

また、良くあるのはシェアハウスの賃貸契約が定期借家になっているケースです。

他の集合住宅とくらべて、特に一緒に住む人との関わり合いが多いシェアハウスでは、1人でも迷惑な人がいると他の人が借りてくれなくなる可能性が高いです。

そういったリスクをなるべく減らすために、定期借家契約が利用されるという事です。

定期借家のデメリット

次に借りることを考えた場合のデメリットを見てみましょう。

原則として再契約が出来ない

普通借家は基本的に1ヶ月以上前に退去の旨を伝えれば解約できる契約になっていることが多いです。

また違約金があるとしても、1年未満の様な短期で退去した場合に限るのがほとんどです。

すなわち継続して住むか、退去するかの選択は基本的に借りる側の意思次第です。

再契約できないというのは、このような選択の幅がなくなるという事なので、借りる側にとっては明らかなデメリットと言えます。

中途解約に関する制限事項が多い

定期借家は期間を完全に定めた契約なので、原則として中途解約が出来ません。

しかし、以下の3つを満たす場合は正当事由があるとして解約することが出来ます。

  • 居住用として借りている
  • 床面積が200㎡未満
  • 転勤や親族の介護など、止むを得ない事情がある

一応このような条件が定められていますが、最終的に無事中途解約できるかどうかは、それぞれの契約内容次第です。

一般的な定期借家契約では中途解約を認めているものの、違約金が発生する特約を盛り込んでいる事が多いので注意しましょう。

賃料の減額要望の禁止特約をつけられる

あまり行うケースはないかもしれませんが、借り主は再契約の際などに、賃料の値下げ交渉を行う事ができます。

普通借家の場合は値下げ要望を制限する事は出来ませんが、定期借家の場合は特約として制限することが出来ます。

そもそも再契約を前提としていないので、意識することはないと思いますが、借りる際には契約内容として盛り込まれているかどうかチェックをしておく方が良いでしょう。

定期借家と普通借家の違いは?

定期借家のメリット・デメリットを確認したので、いったん定期借家と普通借家の違いについて、まとめてみましょう。

定期借家 普通車っk
契約の仕方 必ず書面で行う必要がある。契約書とは別に期間が決まっていて、再契約がない旨を書面で交付して説明する必要がる 書面もしくは口頭での契約
更新(再契約) 原則できない 原則更新される
契約期間 固定。1年未満の短期も可能 不定。期間の決まっていない契約として扱われる
賃貸借料の増減要望 特約により制限が可能 特約による制限は不可能
中途解約に関する制限 正当な事由があれば可能 特約がない限りは特になし

この様に普通借家に比べれば、定期借家は借り主の制限事項が増える契約と言えます。

定期借家の一般的な契約期間はどのくらい?

居住用の定期借家契約で一番多いのは2年契約です。

また、シェアハウスで良く見かけるのが3ヶ月〜1年未満の短期契約、稀に5年といった長期契約もあります。

いずれにせよ定期借家自体が、全賃貸物件の数%ほどしかないと言われているので、2年以外の契約を見かける事はほとんどないでしょう。