東京摩天楼

子育て世帯の大規模マンション探訪記

コーポラティブハウスとは?メリット、デメリットと募集会社一覧

コーポラティブハウス。あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、最近始まったドラマ「隣の家族は青く見える」はコーポラティブハウスが舞台となっています。

3家族が同じ敷地内に家を建てて住み始めるといった内容の1話だったのですが、ドラマを見てる時に「そんな家の建て方あるのかなー?」と気になって調べて見たところ、コーポラティブハウスである事を知りました。

コーポラティブハウスは18世紀後半のイギリスが発祥と言われていています。

日本ではあまり馴染みがありませんが、ノルウェーでは全住戸の15%、オスロ市内に至っては40%、その他にアメリカ、ドイツ、スウェーデンでも戸数は多く、海外では比較的なじみのあるものだそうです。

コーポラティブハウスとは?

コーポラティブハウスとは、居住希望者が集まって建設組合を結成し、共同で土地の取得、設計・施行依頼を行って作る住宅の事です。

一言で言えば住宅の共同購入の事になります。

共同購入である点を活かすと、敷地内に共用空間を作るなど、普通に戸建てには不可能な事が可能になります。

かつては住む人自体が自分で共同購入者を探すような、「住民主導型」が多かったのですが、最近は主に不動産会社が企画を立ち上げ、参加者を募集する「コーディネーター主導型」が多くなって来ています。

コーポラティブハウスが出来るまでの流れ

それではコーポラティブハウスが出来るまでにどの様なステップが必要なのか見てみましょう。

今回はコーディネーター主導型の場合を想定しています。

企画立案と参加者の募集

まずはコーポラティブハウス事業を運営している不動産会社が、土地の選定を行います。

コンセプト、戸数、想定予算、専有面積、場合によっては建築家なども決めた上で参加者を募集、説明会を開催します。

コンセプト、予算などは様々ですが、戸数は10戸前後で募集をかける場合が多く、世帯数でいうと小さめのアパートと同じくらい場合が多いです。

建設組合の設立

企画に賛同した購入希望者が集まれば「建設組合」を結成します。

この後行われる設計や施行の発注は、基本的にこの建設組合を通して発注することとなります。

つまり、建設の主体はあくまで購入希望者となります。

そのため、あらゆる決定に購入希望者の意向が強く反映されます。

コーポラティブハウスは主体性が必要な家の買い方と言えます。

住環境の設計

もっとも楽しく、手間もかかるのが設計です。

設計者と直接打ち合わせを行い、自分の好みにあった設計をしてもらいます。

専有部分は自由設計なので、個性的な事例も多く見られるのがコーポラティブハウスの特徴の1つです。

また、共用施設部分の設計では、購入希望者同志で集まってデザインの決定を行っていきます。

設計の段階は、完成後に同じ敷地内に住む人たちとのコミュニケーションが増えるタイミングでもあります。

組合全体での集まりである総会と、管理検討委員会や共用部検討委員会、イベント委員会など、個別のテーマにそった部会が行われるのが一般的です。

それぞれの集まりはおおよそ5回〜10回程度行われ、その間に様々な事を決めて行きます。

施行・引き渡し

設計が固まれば施行に入ります。工事の様子を定期的に見に行くのも良いでしょう。

定期的に現地の確認会を実施する場合も多く、工事を行なっている方と直で話しが出来る場合もあります。

順調に工事が進み完成すれば、いよいよ引き渡しです。

予め希望した通りに完成しているかどうかを最終確認し、入居の準備を進めます。

コーポラティブハウスのメリット

自由度の高さ

普通に不動産を購入する場合と違い、コーポラティブハウスでは設計段階から自分たちで依頼を行います。

そのため、自分たちの夢を詰め込んだような、かなり融通の聞いたデザインが可能となります。

  • メゾネットタイプの部屋
  • 壁一面の本棚
  • 螺旋階段
  • 床から階段まである大きな窓
  • ガラス張りのお風呂

などなど。普通に購入するだけだと難しいデザインも実現する事ができます。

デザインだけであれば、注文住宅という手もありますが、バーベキューが出来る庭など、普通の戸建てでは難しい共用スペースを設けられるのも、コーポラティブハウスのメリットの1つです。

みんなで集まる空間があれば、住んでいる人の間で自然とコミュニケーションも深まるでしょう。

コスト的な無駄を抑えられる

発注は建設組合で行うため、土地の値段、設計料、建築費、コーディネート料、調査・予備費などコストの全てが把握でき、費用の透明性が高くなります。

不自然に高いものが含まれていれば指摘もできますし、材料を安いものに買えるなどの選択を取る事も可能になります。

また、販売を行うための過剰な広告費、宣伝費も必要なくなります。

例えば新築マンションのモデルルームなどを想像すれば、宣伝にかかるコストが安くないのは容易に想像つくはずです。

宣伝費が必要のない分コストを抑えたり、設備にかける分を増やして、よりグレードの高い家にすることも検討できるようになります。

良好な近所付き合いに繋がる

コーポラティブハウスでは家が完成する前から、色々な決定を行うために定期的に総会(ミーティング)が行われ、自然と他の居住者と顔をあわせる事に成ります。

住み始める時には既に周りの居住者の人となりもわかり、近所付き合いがしやすくなる可能性はあります。

一方で、マンションとは違い自主管理を行うケースも多いため、合わない人たちがいても付き合い続けなければならない事もあります。

こればかりは実際に住んでみないとわかりませんが、良くも悪くも通常より密接な近所関係が必要となるのは確かでしょう。

コーポラティブハウスのデメリット

手間がかかり入居までにかかる期間が長い

設計から始めるため、完成までには非常に手間と時間がかかります。

外観を統一したり、共用スペースの用途をどうするかなど意見のすり合わせ、住んでいく上でのルール決めをするために、参加者全体で一同に介し打ち合わせが必要となります。

また、自分が住む家の設計のために、建築士との個別の打ち合わせも繰り返し行います。

建設組合を組織して運営していく際に、協議を重ねるので、完成までに多少時間がかかる場合があります。

組合を作ってから入居までは約2年程かかるのが目安だと言われています。

これらの過程を楽しめる方であれば向いていますが、ただ手間だと感じる人は向いていないでしょう。

企画自体が実現しなかったり、中断される場合がある

コーポラティブハウスは事前に企画に賛同する人の募集を行います。

そのため、必要な人数が揃わなかった場合は自分がいくら気に入っていたとしても、企画が実現しない場合もあります。

企画が始まる場合であればまだ良いですが、途中で辞退する人が出た場合は、最悪企画の中止も考えられます。

この様な自体を防ぐためにも、違約金が設定されている場合がほとんどですが、企画を継続するために負担が一部増えるなど、何かしらのデメリットを被る可能性はじゅうぶんあります。

一般の住宅に比べ、売却が難しくなる

コーポラティブハウスは一言でいえば「アクの強い」物件になります。

一般の戸建てと比べて、作った人の個性が非常に反映されたデザインとなる場合がほとんどです。

また、住んでからある程度の期間が経っていると、既にコミュニティが形成され、後から入居する人は少し馴染みづらいと感じる可能性もあります。

一般的に変わった間取りは敬遠されますし、事例が少なく値段付けも難しくなります。

こういった事情から、売りに出したとしても、不動産業者が物件を積極的に紹介してくれないといった事も考えられます。

一概には売りづらくなると考える方が良いので、買い替えを前提としたような買い方を考えている人には向いていない住宅と言えます。

コーポラティブハウスを企画、募集している会社

それではコーポラティブハウスを実際に企画、募集している会社を見ていきましょう。

COPLUS

f:id:yusan09:20180124001426p:plain

コーポラティブハウスの他にもテラスハウス(連棟)、マンション+共用スペースを備えた賃貸である「コミュニティ賃貸」、用途変更を行う「コンバージョン」の他、街づくりコンサルの実績も豊富です。

都内を中心に12ヶ所ほどコーポラティブハウスの実績があります。

COPLUSの事例 BOTA三田

f:id:yusan09:20180124223803j:plain

通りから一本入った場所の突き当りに位置している今回の計画地。こだわりの設計で「ここにしかない家」を叶える為の“器”も「ここにしかない外観」となるように、通りからの見え方を大切にファサードをデザインしました。道行くひとが思わず振り返り、覗き込みたくなるような、印象的な見え方を目指しました。BOTA三宿は、全10戸の長屋形式の集合住宅で、すべての住戸が階段を有するメゾネットタイプです。分譲マンションにはない住空間を希望する方々にとって自由に設計できる階段は、重要な要素です。

www.co-plus.co.jp

archinet

f:id:yusan09:20180124002501p:plain

戸数4戸〜10戸ほどの小規模コーポラティブハウスを多数手がけた実績を持っているのがarchinetです。

実績数で言えば国内トップクラスではないでしょうか。

新規プロジェクトの募集も常時数件ほど行われています。

archinetの事例 緑が丘コートハウス

f:id:yusan09:20180124225554j:plain

不揃いでユニークな形の白い建物に、緑の色が栄えた住宅です。

www.archinet.co.jp

ZERO ONE OFFICE

f:id:yusan09:20180124003201p:plain

コーポラティブハウスの他に、リノベーションや店舗のデザインも手がける会社です。

戸建ての集まりというよりも、マンションのような独立スペース+αの事例が多く見られます。

ZERO ONE OFFICEの事例 a-blanc

f:id:yusan09:20180124231743j:plain

ありきたりなマンションや、細分化された戸建てにはしたくないという、地主さんの思いからスタートしたプロジェクト。「人にもペットにもやさしい」、「外を感じる暮らし」をテーマに、緑豊かな外構、屋上ハラッパなどゆったりとした共用部を計画しました。 室内では、「ウチソト」空間を提案。外周に設けたランダムに配置された木製ルーバーは、外部からは程よい目隠し、室内からは窓の外にあるもう一枚のフィルターとして機能しており、バルコニーを外部と気軽に触れ合う、住まいの場として提案しています。 名称の「blanc」(ブラン)は、フランス語で「余白」の意味。ゆったりと設けられた共用部、外部空間を表しています。

自由が丘の設計事務所ゼロワンオフィス

NENGO

f:id:yusan09:20180124003343p:plain

コーポラティブハウスというよりも、分譲マンションに近い建物の事例が多いです。

実績は少なめですが、募集数は比較的多めです。

nengo-cp.jp